「コンテンツマーケティング」の手法とは?基本知識から具体的な進め方まで分かりやすく簡単にお伝えします
現代の企業活動において「コンテンツマーケティング」が市民権を得るようになってから久しいですが、例えマーケティング担当者であっても、その実情について全容を把握している方はそう多くないのではないでしょうか。
そこで本記事では、そもそもコンテンツマーケティングとは何かといった基本知識から主に用いられる手法、具体的な進め方まで、誰にでも分かりやすいよう簡単にご説明していきます。
いまさら聞けない「コンテンツマーケティング」の定義
そもそも、「コンテンツマーケティング」とは何なのでしょうか。アメリカのコンテンツマーケティング研究所であるCONTENT MARKETING INSTITUTEは、コンテンツマーケティングを以下のように定義しています。
コンテンツマーケティングとは、明確に定義された顧客を魅了し、関係を構築し、そして最終的には収益性の高い顧客行動を促進するための価値があり、関連性の高い一貫したコンテンツの作成と配信に焦点を当てた戦略的なマーケティングアプローチである。
CONTENT MARKETING INSTITUTE
つまり、コンテンツマーケティングとは、3つの要素(良質なコンテンツ・安定した集客・収益構造)を連携させることによって、中長期な利益を生む仕組みをつくることなのです。
ここで言うコンテンツとは、オンライン・オフラインを問わず動画や書籍、セミナーなどでユーザーにもたらす有益な情報のことを指します。
コンテンツマーケティングが普及した背景
コンテンツマーケティングを実施している企業は年々増えていますが、その理由の一つに、民衆の広告疲れが挙げられます。
現代人が1日に企業広告に触れる回数は、4,000回から10,000回と言われています。
以前はまだデジタル化が進んでいなかったため、消費者の都合を無視してテレビCMや折込チラシで日常的に広告を流し、強引に価値を創出していました。
しかし、情報過多の現代においては、消費者は自身が求めている情報以外に興味がありません。そこで消費者が知りたい情報を発信し、悩みや不安を解決する有益な情報をいかに届けるかに焦点を当てたコンテンツマーケティングが普及しました。
消費者が意欲的に収集できる情報量には限りがあるため、よりパーソナライズした訴求ができるコンテンツマーケティングが注目されるようになりました。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
続けて、コンテンツマーケティングのメリットとデメリットを確認していきましょう。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングのメリットは、以下の通りです。
資産になる
コンテンツは一度作成してしまえば半永久的に資産として残ります。加えて記事や動画、音声といったものは再利用が可能であるため、複数の手法に流用して用いられることが多いです。
中長期目線で費用対効果がある
これまで広告の効果が発揮されるのは、発信したタイミングのみでした。コンテンツマーケティングは、コンテンツの作成時に費用がかかるものの、ランニングコストはかかりません。一度発信をするとウェブ上で配信され続けるため、コンテンツ内容の価値が失われない限りは効果も持続します。
SNSとの相性が良い
有益コンテンツを配信した場合は、コンテンツを見たユーザーがSNSで「シェア」や「いいね!」といったアクションを行い、そこから連鎖的な拡散が期待できます。
コンテンツマーケティングのデメリット
コンテンツマーケティングのデメリットは、以下の通りです。
手間がかかる
コンテンツの配信を一度でも止めてしまうとユーザーは自社の存在を忘れてしまうため、継続的にコンテンツを配信する体制を構築する必要があります。可能な限り定期的に情報を発信できるよう心掛けましょう。
コストがかかる
前述の通り、一度コンテンツマーケティングを始めると、継続的にコンテンツを制作する必要があります。コンテンツマーケティングを社内で行う場合はコストを削減できますが、当然ながら外注する場合はコストがかかります。他の業務との兼ね合いを考えて運用しましょう。
即効性がない
リスティング広告などと比べて、コンテンツマーケティングは中長期的なマーケティング手法と言えます。成果が出るまでには最短でも数か月程度かかる場合が多いため、目的やスケジュールに応じて選択するようにしてください。
キックオフからしばらくの間は、成果が目に見えずらいです。その分、より成功の確度を高めるために、全体の設計などに力を入れるようにしましょう。
コンテンツマーケティングの主な手法
では、コンテンツマーケティングには具体的にどのような手法があるのでしょうか。ここでは、コンテンツマーケティングの主な手法を6つご紹介します。
コンテンツSEO
検索エンジンから自社ホームページへの流入で、集客を目指すマーケティング手法です。自社ホームページ内のページが指定のキーワードで検索された場合に上位表示されるようなコンテンツを増やしたり、検索エンジンの評価を高めるコンテンツを掲載します。これらの対策により、潜在的なユーザーにアプローチすることが可能です。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、自社の製品やサービスを紹介し、企業の問題を解決する案をまとめたコンテンツです。主に自社ホームページ内にて、ダウンロード形式で公開されています。ダウンロードには個人情報の入力を条件としている場合が多く、特定の課題を抱える潜在顧客の情報を得ることができます。
SNS
SNSを活用した手法です。主にTwitter・Instagram・Facebook・LINE・TikTokなどのSNSでアクションをしてもらうことにより拡散され、幅広いユーザーに認知されやすくなります。
メルマガ
自社が保有するメールアドレス宛に資料を送付して、商品・サービスの認知度を高めるコンテンツです。すでに何らかの形で自社と接点のあるユーザーが多く、長文での訴求が可能となるため、他の手法と比べて高いコンバージョン率が期待できます。
動画コンテンツ
動画を用いて、商品・サービスの紹介や情報を伝える手法です。主にSNSや動画配信サービスを使用して発信を行います。動画コンテンツは、テキストや画像のみのコンテンツより多くの情報を伝えることが可能です。
セミナー
特定のテーマに興味がある参加者を集め、有益な情報を伝えるコンテンツです。近年では、オンライン形式のセミナーも普及しています。
コンテンツマーケティングには、費用を抑えて運用できる施策も多いです。自社の予算に応じて、まずは社内で対応できるものから進めていくと良いでしょう。
コンテンツマーケティングの具体的な進め方
ここからは、コンテンツマーケティングの具体的な進め方を解説していきます。
STEP1:目的を決める
「なぜコンテンツマーケティングを行うのか?」「ゴールは何か?」を明確に決めないまま施策を行うと、本来の目的からズレていくことが多くあります。まずは目的を明確にしてから実行に移しましょう。
STEP2:市場調査
ユーザーが何に興味を持っているかを知るためには、市場調査が欠かせません。ユーザーが求めていないことをコンテンツにしても、興味関心に繋がりませんので、市場をリサーチして訴求する内容を具体化しましょう。
STEP3:ペルソナの設定
「ペルソナ」の設定とは、ターゲットの人物像を、綿密に練り上げることです。まるで実在するかのような一人の人間を想像し、性別や趣味、価値観、家族構成などを細かく設定していきます。作成したペルソナが「どんなことに興味があるか?」「どんな情報を欲しているのか?」を考えることで、コンテンツの方向性が決まります。
STEP4:カスタマージャーニーマップの作成
「カスタマージャーニーマップ」とは、顧客が自社の商品・サービスに出会い、購入に至るまでの道筋を可視化したものです。
STEP5:施策の実行・検証
作成したカスタマージャーニーマップと照らし合わせながら、施策の実行を行います。その後、「予測との違いはあったか?」「アクショプラン後に顧客の変化はあったか?」などについて検証を行い、改善と再実行を繰り返します。
いきなりコンテンツを作り込むのではなく、前提条件をどれだけ絞れるのかによって、コンテンツマーケティングの成功が左右されます。
まとめ
コンテンツマーケティングとは何か、どのような手法があるのか、具体的な進め方などをご紹介してきました。
コンテンツマーケティングは、ユーザーが興味を持つ情報を発信していくことで関係性を深め、商品・サービスの購入を促進するためのマーケティング手法の一つです。
顧客が何を求めているのかを調査し、有益なコンテンツを発信していくことを心掛けましょう。