セールスプロモーションの主な種類まとめ|広告との違いについても分かりやすく解説します

昨今のコロナ禍によって消費者のマインドが大きく変化し、今まで行ってきた手法では購入に結びつけることが難しい場面も散見するようになりました。質の良い商品・サービスを作るのも大事ですが、どのような状況においても、商品・サービスの認知度を高めて購入に繋げられる施策が大事です。

そこで今回は、企業活動において従前より重要視されてきた「セールスプロモーション」の基本知識を解説していきます。

混同されがちな「広告」との違いや主な手法、成功させるためのポイントについて分かりやすくまとめてありますので、基本に立ち返りたい担当者の方はぜひ参考にしていただけますと幸いです。

「セールスプロモーション」の基本知識

まずは「セールスプロモーション」の定義についておさらいしておきましょう。セールスプロモーションとは、消費者に自社の商品・サービスを認識してもらい、購入する動機付けを行い、購入に繋げるための手法です。見込み顧客が商品を購入する直前の購買活動のきっかけづくりを行います。商品の魅力を伝えて、消費者の欲しい・使ってみたい欲求(want)を引き出し、買う・利用する行動に繋がる施策を行えるかがポイントになります。

消費者の購買行動を理解することで、セールスプロモーションに対する理解も深まります。

「セールスプロモーション」と「広告」の違い

セールスプロモーションと混同されがちなものに、「広告」があります。広告はセールスプロモーションの手法の一つで、セールスプロモーションは購入するきっかけづくりと考えると分かりやすいです。

広告は、宣伝と集客の双方の効果が期待できるセールスプロモーションの手法です。

セールスプロモーションの3つの種類

セールスプロモーションは、以下の3種類に大別されます。

一般向けセールスプロモーション

既存顧客や見込み顧客を対象に行うセールスプロモーションです。自社の目的に応じて施策を行います。来店を促したい場合は「チラシ」「広告」、顧客の情報を集めたい場合は「プレゼント企画」「会員登録キャンペーン」などを行い、顧客情報を集めてリストを作成します。競合他社への流出を防ぎたい場合には、「ポイントカード」の発行、関連商品の購入を促したい場合には、「陳列」を意識して商品を配置することが対策として挙げられます。

流通系プロモーション

自社の商品・サービスを取り扱う卸業者や小売業社に向けたセールスプロモーションです。流通業者の販売意欲を高めるためにインセンティブを提供する・割引率の優遇といった施策があります。

社内向けプロモーション

社内の営業担当者や販売担当者に向けたセールスプロモーションです。営業担当者や販売担当者の意欲を高め、各々のスキル向上を目的とした施策です。新規顧客の獲得や売上の向上に繋がります。「社内コンテスト」「マニュアル作成」が主な施策例になります。

セールスプロモーションの確度を高めるためには、消費者だけではなく、社内や関連業者にも目を向ける必要があります。

セールスプロモーションの主な流れと手法

セールスプロモーションの主な流れは、「①認知・拡大 →②販売→③リピーター施策」です。

STEP1:認知・拡大

顧客に自社の商品・サービスを認知していただくフェーズです。商品・サービスに関心を持ってもらうためのきっかけづくりを行います。

手法①:プロモーションイベント

イベントや見学会を行い、商品・サービスを体験する機会を創出するイベントを行い、ユーザーの興味関心を高めます。

手法②:デモンストレーション

実店舗にて来店客の前で商品・サービスを実演し、ユーザーの興味関心を引く施策です。身近な施策例では、試食がデモンストレーションに当たります。

手法③:サンプリング(モニタリング)

商品・サービスをサンプルとして無料で顧客に提供し、使用感や利用意欲を調査する施策になります。認知が高まると同時に、商品・サービスに対する感想をもとに改善を行い、クオリティを高めていくことが可能です。

手法④:オープンキャンペーン

商品・サービスの購入を条件とせず「メルマガ登録」「アンケート回答」「SNSの拡散」といった誰でも参加が可能な条件を設定し、応募者を募り、当選した方が景品をもらえるキャンペーンです。ポイントは、商品・サービスの購入が参加条件に含まれないことです。新作・期間限定の商品のPRなどに使われることが多いです。

手法⑤:ポップアップストア

空き店舗やイベントスペースにて期間限定でショップを開設して、認知度を高める施策です。商品・サービスの認知、プロモーションといった目的で人通りの多い場所や商業施設にて出店し、商品を体験して認知するきっかけになります。

STEP2:販売

商品・サービスの認知後に購入を促すための施策になります。

手法①:クーポニング

メルマガ登録者やLINE登録者、初来店の顧客に割引券や優待券を配布する施策になります。「次回使える10%OFFクーポン」「◯◯までに来店で10%OFF」といった商品購入・サービス利用を促すことが可能です。

手法②:クローズドキャンペーン

商品・サービスの購入を応募条件とした懸賞です。商品の購入が応募条件に含まれていることが特徴で、売上が下がっている商品・サービスの継続的な購入を目的に行われます。

手法③:価格プロモーション

商品・サービスの価格を下げることで、購入意欲を高める施策です。短期的な売上増加を目的としています。

STEP3:リピーター施策

既存顧客のリピーター化を目的とするフェーズです。

手法①:ポイントプログラム

商品・サービスの購入金額や来店回数に応じてポイントを付与する施策です。ポイントは貯まると購入金額に充当できたり、ポイント数に応じた商品と交換できます。ポイント欲しさの再来店・再購入の促進を目的としています。

手法②:会員プログラム

会員になっている方だけを対象とする、お得な情報提供やキャンペーンの実施です。一定金額を超えると会員ランクがレベルアップし、さらに良い特典が得られるという施策がよくある例です。再来店・再購入を通してランクアップを目指すことにより、顧客に特別感を与えることが目的です。

自社がどのフェーズにあるかを理解することで、今必要な施策を選定することができます。

セールスプロモーションを成功させるためのポイント

セールスプロモーションを成功させるためのポイントは、主に以下の3つです。

目的・ターゲットを明確に

まずはセールスプロモションを行う目的・ターゲットを明確にしましょう。例えば、認知してもらいたいターゲット層がご年配の方である場合には、オンライン割引券の配布などはあまり効果が期待できません。

ユーザーの行動を把握する(予測する)

目的・ターゲットを明確化できたら、「ペルソナ」を設定しましょう。ペルソナとは、自社のターゲットとして、実在するかのような一人の人物像を詳細に設定することです。年齢・性別・職業・年収・趣味・価値観などリアリティのある内容にすることを心掛けてください。

効果測定

施策後のアンケートや顧客の行動を確認し、改善点を洗い出しましょう。プロモーション前後の行動変化を細かく記録しておく必要性がありますが、さらに質の良いセールスプロモーションを行うために必要なプロセスです。

セールスプロモーションは、基本的にA/Bテストを繰り返し、ベターを追い求めていく必要があります。一度行った施策の成果を次回に活かせるよう、PDCAサイクルの改善には力を入れましょう。

まとめ

セールスプロモーションは、消費者に自社の商品・サービスを認知してもらい、購入する動機付けを行う施策です。

良い商品・サービスを販売していても、顧客に認知してもらえなければ購入に繋がりません。そのためにも、顧客が購入するきっかけづくりを行うセールスプロモーションは、企業にとって欠かせないものと言えるでしょう。

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