ARコンテンツの制作を依頼した場合の費用相場は?内容別の目安と制作費を安く抑える方法を解説
近年、「AR」という言葉を耳にすることが増えました。ARを用いたサービスには多様な層からの需要があり、その実用性も高いことから、「自社もARサービスを発表したい」「ARコンテンツで売上を上げたい」と考える企業も多いのではないでしょうか。
ARコンテンツとひと口に言っても、その内容は多岐にわたります。今回は、ARコンテンツの制作にかかる費用相場を、「ARアプリ」「ARシステム」「AR動画」に分けて、詳しく解説していきます。
ARコンテンツの制作を検討している企業の担当者は、ぜひ効果的な結果につながるように、相場と制作費を安く抑える方法を知っておきましょう。
まずはARコンテンツの基本を押さえよう
本記事では、ARコンテンツを以下の3つに大別して解説します。
ARシステム
ARシステムとは、その名の通り、AR技術を用いて開発されたシステムを指す言葉です。ARシステムを開発するためには、コンテンツの種類や対象のデバイスに合わせて、開発環境やライブラリを選ぶ必要があります。開発方法は大きく分けて2種類で、ARシステムの制作サービスを利用して開発する方法と、ゼロからARシステムを構築する方法です。
また、ARシステム開発会社のWebサイトを訪問した際に、「料金の詳細が掲載されていない」場合があります。その理由は、システムエンジニアやプロプラマー、開発規模によって、ARシステムの開発費用は大きく異なるためです。一般的には、どのようなシステムを構築したいのか、システムエンジニアがニーズをヒアリングした上で、費用を算出します。
ARアプリ
ARアプリとは、AR技術を使用したゲームやエンターテイメントアプリを指します。ARアプリでは『Pokēmon GO』が有名です。こちらのアプリでは、AR技術によって現実世界の風景にデジタルデータのポケモンの映像を合成します。現実世界でポケモンに出会える画期的な仕様であるため、ポケモンに親しみのある幅広い世代で人気になりました。
また、AR技術によって、オシャレな自撮り写真が簡単に撮影できる『SNOW』というアプリもあります。こちらのアプリでは、スマートフォンのカメラで映し出された、現実の自分の顔にさまざまなデジタル情報を付加して、メイクを施したり、可愛らしい加工をすることが可能です。小顔や美肌といった機能もあり、SNSにアップしたい可愛い自分を簡単に実現してくれるため、10代や20代の女性を中心に人気があります。
AR動画
AR動画とは、AR技術を用いて視聴する動画を指します。スマートフォンやタブレットのカメラで、特定の箇所や風景を映すと、デバイスの画面内に立体的な映像が現れる仕組みです。
絵本や招待状に動きをつけるなど、多岐にわたって活用されているAR動画。エンターテイメントからビジネスまで、さまざまな分野で応用が可能です。
ARは「拡張現実」と訳され、現実世界の風景に、コンピュータで情報を付加して表示する技術です。スマートフォンやタブレットのカメラを通して、CGを現実世界に映し出すことができます。
ARコンテンツの制作を依頼した場合の費用相場
続いて、ARコンテンツの制作を依頼した場合の費用相場をタイプ別に見ていきましょう。
ARシステムの費用相場
ARだけではなく、あらゆるシステム開発の費用は、主に人件費で構成されており、一般的に「人月」と呼ばれる工数単位をもとに算出されます。人月とは、システムエンジニアやプログラマー1人が1ヵ月で行える作業量を示す単位です。
たとえば、1ヵ月100万円のシステムエンジニア1人と、1ヵ月50万円のプログラマー1人で2ヵ月かけて開発した場合は以下のような計算式になります。
(人件費)150万円×(開発期間)2か月=300万円 |
ARシステム開発における人件費は、システムエンジニアやプログラマーの技術力による差が大きく、その影響によって開発期間も変動するため注意が必要です。特に開発規模が大きい場合には、人員が多く必要になるため、全体のコストが大きくなります。
ARアプリの費用相場
ARアプリの開発を依頼した場合の費用相場は、以下のとおりです。
ARアプリ開発に関わる人員 | 費用相場(1か月あたり) |
・下請け会社 ・フリーランスのプログラマー | 60~80万円程度 |
・大手企業在籍のプログラマー | 100~200万円程度 |
・システムエンジニア(初級) | 50~150万円程度 |
・システムエンジニア(中級) | 150~180万円程度 |
・システムエンジニア(上級) | 180~200万円程度 |
AR動画の費用相場
AR動画の制作を依頼した場合の費用相場は、以下のとおりです。
内容 | 費用相場 |
2DCG・3DCG | 10万円~ |
クロマキー映像 | 20万円~ |
多角度撮影画像 | 15万円~ |
BGM・ナレーション | 3万円~ |
ARコンテンツに限った話ではありませんが、基本的にシステム開発は、人件費×開発期間をもとに算出されます。人件費は担当者の技術力により差があり、開発期間もその影響を受けます。
ARコンテンツで制作費以外にかかる費用
Apple Storeの場合は登録料が年間11,800円、Google Playでは登録料で25ドルが、アプリ申請費用としてかかります。また、販売手数料はどちらも30%です。
予算組みの際には、制作後にかかる費用も念頭に置いておきましょう。
ARコンテンツの制作費を安く抑える方法
コストカットのためにAR制作サービスを活用している企業は多いです。新しい映像を作り出すのではなく、既存の写真やロゴなどで制作するなら、時間や費用を抑えられるため、AR制作サービスの活用がおすすめです。ARコンテンツの作り方は、以下の記事で解説しています。
ARコンテンツを制作したい時、ゼロから作るのか、AR制作サービスを用いるのかで相場感は大きく変わります。制作費を安く抑えるなら、AR制作サービスの活用がおすすめです。
まとめ
ARコンテンツの制作を依頼した場合の費用について、コンテンツのタイプ別にご紹介してきました。ARを使ったコンテンツは、ゼロから委託しようとすると、少なくとも数十万円の費用がかかってしまいます。しかし、ARを無料で制作できるライブラリを使ったり、AR制作サービスを活用することで、制作費を抑えることが可能です。