ARをビジネスに活用したい企業担当者は必見!市場予測と参考事例から考えるARの将来性
ARは、ここ数年でビジネスシーンでの利活用が増えている注目の技術であり、さまざまな業界に波及しています。そのため、「自社のビジネスにもARを活用したい」と考えている企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、いざARを自社のビジネスに落とし込むとなると、なかなかイメージが湧きづらいかもしれません。
そこで本記事では、ARの活用を検討中の企業担当者の方に向けて、AR市場の今後の展望をお伝えするとともに、多種多様な業種のAR参考事例をご紹介します。
AR市場の持つ可能性と今後の展望
ARの活用に興味があるとしても、今後の市場動向に不安があったり、社内稟議を通すための材料不足などを理由に、なかなかプロジェクトを進められないケースがあるかもしれません。
まずは、判断材料の一つとして、AR市場の現状と今後の展望についてしっかりと把握しておきましょう。
世界中が注目し、年々成長傾向にあるAR市場
マーケティング&コンサルテーションの富士キメラ総研が発表した調査結果によると、BtoB/C向けAR/VRソリューションの国内市場規模は、2020年で210億円となっており、2030年には8,380億円と40倍の拡大が予測されています。
また、世界市場規模については、2020年に176億7,000万米ドルとなりました。2021年から2028年にかけて、年平均成長率(CAGR)43.8%で拡大すると予想されています。
世界中でARが活用される分野としては、さまざまなものが考えられますが、とりわけ広告分野では、目覚ましい成長が期待されています。2019年には約5億ドルだったAR広告の世界収益が、2024年末には80億ドルを突破する見込みです。
幅広い業界で期待が高まるARの可能性
AR市場は今後もさらなる成長が期待されており、将来的には商業や教育、医療などさまざまな分野で利活用されると考えられています。特にECや工業において期待されているのが、ARの活用による顧客体験価値や生産性の向上です。
エンターテイメントの分野では、 今後もARを活用したゲームやアプリが増えていき、人気が高まるでしょう。特に、ARを活用した体験型ゲームなどは、身近な環境を舞台に楽しむことができるため、多くの人々が身近に楽しめるようになると予想されています。
商業分野においては、ARを活用したバーチャルストアや、工場内での作業支援などが提案されています。医療分野では、手術やリハビリテーションの支援などで活用が進められている状況です。
ARはスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを使用することで、誰でも簡単に体験できます。モバイルデバイスの普及に伴い、より多くの人々にARを体験してもらうことができるようになるため、相乗効果による市場の拡大も期待されています。
ARをビジネスシーンで活用するメリットとは?
ARはその非日常を感じられる特性から、消費者だけではなく、企業にとっても多くのメリットがあります。
顧客体験価値の向上
ARを活用し、商品の見せ方を工夫することによって、ユーザーの体験価値を向上させることが可能です。例えば、ARを活用したバーチャルストアでは、家具やインテリアなどを実際に配置した場合のイメージが確認できるため、ユーザーの購買意欲を刺激します。
生産性の向上
工場や建設現場などにおける作業支援にもARを活用できます。ARを活用した作業指示や、遠隔での作業支援ができれば、作業効率が高まり、生産性の向上につながるでしょう。
人材不足の解消
ARを活用し、作業のサポートや指示出しができるようになれば、少ない人数でも効率的に仕事を進められるため、人手不足を補うことができます。社員研修などの際にも、必要最低限の講師のみで実施が可能です。
コミュニケーションの円滑化
ARは、遠隔地にいる相手とのコミュニケーションの円滑化にも役立ちます。ARを活用したビデオ通話は、相手と身近な感覚でコミュニケーションを取ることが可能なため、リモートワークが進む昨今においては、業務のスムーズな進行につながるでしょう。
既にARの技術を搭載したビジネスツールも数多く登場しています。普段何気なく使用しているツールから、自社のビジネスに活かせるようなヒントを見つけられるかもしれませんので、ぜひチェックしてみてください。
AR×ビジネスの参考事例5選
ここからは、ARとビジネスを掛け合わせたおすすめの参考事例5選をご紹介します。
『palanAR』(株式会社palan)
『palanAR』は、ノーコードで簡単にARが作成できるサービスです。有料プランとなりますが、平面以外の湾曲した画像を認識する機能もあり、従来では難しかったペットボトルのラベルなどにも、AR画像の表示が可能になりました。アプリをインストールする必要がなく、ブラウザだけでARを作成できるWebARのため、さまざまなコンテンツを気軽に作成できます。
『SuPAR™』(丸紅情報システムズ株式会社)
『SuPAR™』は、AR技術で目視検査の正確さを向上し、業務効率化を実現するアプリです。製造業界では、熟練者の引退や後継者不足など、技術力不足と労働人口の減少が大きな問題になっており、熟練した技術の継承や業務効率化に対するニーズが高まってきています。SuPAR™は、AR技術を活用することで、誰でも直感的な作業を可能にした画期的なアプリとして、多くのものづくり企業に利用されています。
『TikTok Effect House』(ByteDance株式会社)
『TikTok Effect House』は、TikTok用のクリエイター向けARエフェクト制作ツールです。より没入的で創造性を刺激するARエフェクトを作成できるPC用ツールで、クリエイターの自己表現や新しい世界観の拡張を実現します。スマートフォンのみでも使用できる利便性も魅力的です。
『TOBIRA』(株式会社palan)
株式会社palanが提供するウェブARカメラ『TOBIRA』は、入学式・卒業式向けのフォトフレームサービスです。オリジナルのキャラクターやロゴを、スタンプ、フォトフレームにして、記念に残る一枚を撮影できます。WebARのため、専用のアプリをダウンロードする必要がなく、QRコードさえあれば自分のスマートフォンで簡単に利用できることも大きなメリットです。撮影した特別感のある写真を家族や友人とシェアすることで、より一層記憶に残る思い出となります。
『PinnAR SDK』(株式会社テレコムスクエア)
『PinnAR SDK』は、屋内ARナビ機能開発キットです。屋内ARナビ機能の実装により、従来ではGPS信号が届かなかった屋内であっても、到着までのルート設定や、正確な現在地が分かるようになったため、自社アプリにAR屋内ナビ機能を搭載しやすくなりました。
ARを使ったマーケティングは、日常生活でもよく目にするようになりました。ARで銀座の上空に巨大なキャラクターを映し出す『アニメージュとジブリ展』や、ARで記念乗車証を取得できる『ARオリジナルおみくじ付き記念乗車券』など、さまざまなキャンペーンに活用されています。
まとめ
今後もさらなる市場の成長が期待でき、ビジネスに活用することでたくさんのメリットを得られるAR。現実と仮想を組み合わせた新しい視覚情報は、人材不足の解消や業務効率化など、多くの用途で活用されていくでしょう。
今回はARとビジネスを掛け合わせた参考事例を5つご紹介しましたが、ARの技術は日々進化し続けています。本記事をきっかけに、自社のビジネスにARの活用を検討されてみてはいかがでしょうか。
自社で初めてARの技術に触れる場合には、アウトソーシングがおすすめです。以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。